アメリカ製?イギリス製?謎の帽子サイズの意味は

2022/02/07

  • 帽子コラム


海外製の帽子を探していて、日本ではあまりなじみのない、「7 1/4」「7 3/8」といった謎のサイズ表記に戸惑った経験はありませんか?

こうした表記は、アメリカ製、イギリス製に特有のもの。そこで今回は、アメリカ、ヨーロッパなど外国製の帽子に見られる、独特のサイズ表記についてまとめてみました。

センチ、インチ、米国・英国での帽子サイズの対照表

一般的な帽子サイズの国際基準(S,M,L,XL)と、それに対応するセンチメートル(cm)、インチ(inch)の数値の目安、さらには米英サイズとの対応関係は下表のようになっています。

日本や、イギリス以外のヨーロッパ諸国は、センチメートル(cm)を基準にします。ちなみに、1インチ(inch)は2.54センチメートル(cm)です。

また、アメリカ(米国)とイギリス(英国)にだけ、1/8きざみの独自の帽子サイズ表記が存在します。見て分かるように、このアメリカサイズ(US size)とイギリスサイズ(UK size)が、すべて1/8ずつズレているのも、混乱を招く要因になっています。

帽子サイズ表

帽子サイズ表

アメリカサイズとイギリスサイズについては、途中に「1/4」「1/2」「3/4」など、分母が8以外のものが紛れ込んでくるのが、視覚的な意味でもややこしく感じられるでしょう。

そんな場合は分母をすべて8にそろえて、「1/4=2/8」「1/2=4/8」「3/4=6/8」と約分する前の数値に変換してみると、より分かりやすくなります。きれいに1/8ずつ数値が増えていくのが把握できるでしょう。

ステットソンの帽子を例にサイズ表記を確認してみよう

当店・時谷堂百貨が取り扱う帽子の中で、アメリカを代表するブランドSTETSON(ステットソン)の「STRATOLINER(ストラトライナー)ST970」をサンプルに、上で紹介したサイズ表記を確認してみましょう。

「STRATOLINER(ストラトライナー)ST970」は、伝統ブランドSTETSON(ステットソン)が誇る歴史的な名作ハットで、もちろんアメリカ製。サイズ展開は5つで、帽子内側のタグにはセンチメートル(cm)とアメリカサイズ(US size)が併記されています。

サイズ57cm → 「57」「7 1/8」
サイズ58cm → 「58」「7 1/4」⇒「7 2/8」
サイズ59cm → 「59」「7 3/8」
サイズ60cm → 「60」「7 1/2」⇒「7 4/8」
サイズ61cm → 「61」「7 5/8」

こちらもアメリカサイズ(US size)については、「7 1/4」を「7 2/8」、「7 1/2」を「7 4/8」と、分母を8にして、約分する前の数値に読みかえれば、1/8ずつサイズが大きくなっていくことを感覚的に把握しやすいでしょう。

やはり外国製のハットやキャップは試着して選ぶべき

海外製の帽子を選ぶ際に留意しておきたいのは、日本人と欧米人の頭の形の違いです。

一般的な目安として、日本人の頭は横に長く、欧米人の頭は前後に長い傾向があります。当然ながら、外国製の帽子は、こうした欧米人の頭の形に合わせて作られています。

このことは、トップハットやボーラーハット、カンカン帽など硬めの仕上げの帽子をかぶった際に実感することが多いです。横が狭く感じる一方で、前後に隙間があるような状態です。

また、イタリア製のハットやキャップをかぶった時に顕著に見られる傾向ですが、私たち日本人には、実際の着用感が表示サイズよりもキツめに感じられることが多々あります。

こうした着用感の違いには個人差もあるので、やはり外国製の帽子を選ぶ場合は、実際に帽子屋さんで試着してみて、かぶり心地等を確かめてから購入することをおすすめします。

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