ペーパー素材の帽子は洗濯できるか? 洗い方とお手入れ

2022/03/10

  • 帽子コラム


春夏物の帽子には様々な素材が使われます。パナマ、布帛(ふはく)、麦わら。そんな中、タグに記された「紙」「ペーパー」という文字に引っかかりを覚えた経験はありませんか?

そこで今回は、メンズ・レディースを問わず、帽子の素材に用いられる「紙」「ペーパー」、そうした素材の帽子の特徴や魅力、洗い方(お手入れ方法)についてまとめてみました。

そもそもペーパーハットとは、どんな素材の帽子?

ペーパーハット、ペーパーストローハットといった帽子に使われるペーパー素材とは、その名の通り、いわゆる「紙」のことです。品質表示としては「分類外繊維」で、「分類外繊維(紙)」「分類外繊維(ペーパー)」と表記される場合もあります。

「紙」と聞くと、新聞紙、コピー用紙、メモ帳、ノートなどが思い浮かぶでしょう。手で簡単に破けてしまうイメージもあるため、強度が心配になるかもしれませんね。

一口に紙といってもあくまで紙繊維ということで、帽子などのアイテムに用いられる素材としては、繊維を糸状に撚(よ)ったものになります。撚ることで密度が高まり、十分な強度を確保することができるのです。

紙繊維を原料とするペーパー素材の利点は、軽くて丈夫なこと、価格が安いこと、色が染まりやすく豊富なカラーが展開できること、天然素材では難しかった染色が可能になること、などが挙げられます。

気になる、ペーパーハットと麦わら帽子の違いは?

麦わら帽子は、小麦などの藁(わら)もしくは藁状の素材(植物由来素材や合成素材)で編んだ帽子を指す呼称です。

麦わらは麦稈(ばっかん)とも呼ばれるため麦稈帽子(ばっかんぼうし)、英語ではストロー(straw)と呼ばれるためストローハット(straw hat)という別名もあります。

元々は、文字通り麦わら(=麦の藁)を素材とする帽子のみを指していましたが、現在では麦わら以外の天然繊維や化学繊維を素材とするものであっても、形状や質感を麦わら帽子のスタイルに寄せて作られた帽子種類全般が、麦わら帽子(ストローハット)と呼ばれます。

つまり、上で紹介したような紙繊維を用いたペーパーハット、ペーパーストローハットは、広い意味での麦わら帽子(ストローハット)の一種にあたると考えられます。

ペーパーハットと麦わら帽子の違いは、だいぶ曖昧になってきているというのが現状です。

ペーパー素材の帽子は、汚れたら洗濯できるのか?

結論から言うと、基本的に水洗いはNGです。

ペーパー素材のペーパーハット、ペーパーストローハットは、帽体が紙繊維でできているため、雨に濡れたり洗濯で水分を多く含むと、型崩れや色落ちの原因になってしまいます。

水や熱には本当に弱いので、日常的なお手入れの際にも細心の注意が必要になってきます。

現在流通しているペーパーハットは、以前と比べて格段に質がよくなっているため、紙以外の天然繊維を素材に用いた麦わら帽子(ストローハット)と、一見して見分けがつかないという場合もあります。

ペーパー素材も天然素材も、多くの麦わら帽子(ストローハット)は基本的にほとんどのものが洗濯不可ですが、判断に迷うようなら、帽子内側の洗濯表示タグをチェックしましょう。

この表示は衣料品等の洗い方を示したものですが、最初の「水の入った桶(おけ)」のマークに「×」が付いていたら、まずはご家庭での洗濯は難しいものと考えていいでしょう。

では、ペーパーハットのお手入れはどうすればいい?

ペーパーハット、ペーパーストローハットのお手入れ方法としては、まずは帽子の除菌・消臭スプレーをかけた上で、陰干しでしっかり乾燥させることです。

また、小さな埃(ほこり)やゴミを除去する目的で、乾いた歯ブラシで帽子全体をブラッシングするのも効果的です。帽子は摩擦に弱いので、なでるようにやさしく行いましょう。

さらには、帽子の内側のスベリと呼ばれる布部分。この部分は額に直接触れるパーツでもあり、汗だけでなく、整髪料・ファンデーションなどの汚れも付着しやすくなっています。

よくしぼった濡れタオルで、汚れを軽く叩くようにして拭き取ってください。この際、ペーパー素材の帽子本体は濡れてしまうと変色の原因になるので、できるだけ濡らさないように気をつけながら丁寧に拭くのがポイントです。

その後、乾いたタオルで水分を十分に拭き取り、帽子の形を整えてください。最後に風通しのよい場所に、洗濯バサミなどを使わず平置きで、直射日光を避けて陰干しして、しっかりと乾燥させましょう。

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