帽子(ハット)にまつわる用語 「オープンクラウンハット」と「中折れ帽」の違いとは?
2024/12/26
- 帽子コラム
よく耳にする男性用(メンズ用)の帽子に関する言葉に、「オープンクラウンハット」「中折れ帽」がありますが、これらにはどんな違いがあるのでしょうか。
そこで今回は、「オープンクラウンハット」と「中折れ帽」の違いについて、それぞれの定義、意味、名前の由来や起源などを改めて確認しつつ、考えてみたいと思います。
オープンクラウンとは? → 頭頂部の形状をアレンジできるハット
オープンクラウンとは、クラウン(頭頂部)の形状をお好みに合わせて自由自在に変形できるフェルトハットのことを指します。
オープンクラウンの帽子の、何も形をつけていない状態のクラウン(頭頂部)は、ボーラーハットを思わせるような丸みのある形をしています。
また帽体には、柔軟性の高いフェルト素材が採用されています。クラウン(頭頂部)を柔らかく仕立てることによって、ひとつの帽子でありながら複数のスタイルに変化させて楽しむことが可能になります。
クラウン(頭頂部)のフロント部分を高く立てて、トップのくぼみは涙の形をしたティアドロップ型に、そしてフロントピンチを鋭角につけるのがオープンクラウンハットのアレンジの王道です。
ただ、逆にフロント部分は低めにして、一般的な中折れハットに近いスタイルでかぶることもできます。もちろん、その日のコーデやおしゃれのコンセプトに合わせて、何もアレンジせず、ボーラーハットのように丸みを強調したスタイルでかぶるのもOKです。
中折れ帽とは? → 頭頂部が「くぼんだ」「へこんだ」ハットのこと
次に中折れ帽の「中折れ」とは、クラウン(頭頂部)の中央部分が縦に「折り込まれている」状態を指します。「折り込まれている」という表現は少し分かりにくいかもしれませんが、「くぼんでいる」「へこんでいる」と捉えると分かりやすいでしょう。
そんな中折れ帽の対極に位置する帽子には、トップハット(シルクハット)、ボーラーハット(ダービーハット/山高帽)、ボーターハット(カンカン帽)などがあります。
これらの帽子のクラウン(頭頂部)は、平らだったり丸かったりします。こうした帽子の形を思い浮かべて比較すると、中折れ帽の特徴が理解しやすくなるはずです。
また、「中央部分を縦に」という定義に厳密に従えば、センタークリース型のみが中折れ帽に該当するかもしれませんが、後方が少し幅広のティアドロップ型や、くぼみの底部に軽い「戻り」があるクラシック型も、中折れ帽の一種として考えて間違いありません。
【まとめ】「オープンクラウンハット」と「中折れ帽」の違いは?
さて最後に、両者の違いについてまとめます。
上で紹介したように、クラウン(頭頂部)の形状を自在に変えられるのが「オープンクラウンハット」、クラウン(頭頂部)がくぼんでいる状態のハットが「中折れ帽」ということになります。
「オープンクラウンハット」は、クラウン(頭頂部)にくぼみやフロントピンチをつけてかぶるのが一般的なので、この状態にアレンジした「オープンクラウンハット」は「中折れ帽」的なスタイルであるといえます。
また、一般的な「中折れ帽」は「プレスクラウン」とも呼ばれます。この「プレスクラウン」とは、「オープンクラウン」の対義語になります。
「プレスクラウン」の帽子は、しっかりと型のついた形状に仕立ててあることが特徴です。
帽体(帽子の素材)を金型に入れて蒸気と熱でプレスして型をつけ、ここに糊付け加工を施すことで、長く形状を維持できるように仕上げてあります。