時谷堂だより 2020年9月号(No.30)
2020/09/01
- 時谷堂だより
「時谷堂だより」は、当店の帽子の魅力、当時の新着情報やお得情報など、スタッフによる手書の文字やイラストともにお楽しみいただける内容をお届けしております。カタログのご請求時やご購入商品といっしょにお届けをしています。
2020年9月にお客様にお届けした「時谷堂だより 2020年9月号」をご紹介します。
目次
フェルトハットの素材の違いを教えてください。
秋冬の帽子の代名詞のフェルトハット。フェルトハットを選ぶ際には、 素材ごとの特徴を知ることが大切です。
フェルトとは、 獣毛を縮絨させ布状にしたものを指します。フェルトハットに使われる獣毛は、ビーバー、兎(うさぎ)、羊の3種類です。ビーバー、兎から作られるフェルトは「ファーフェルト」と呼ばれています。
それぞれの素材にもグレードはありますが、一般的に、ビーバーが最も高級、その次がラビット、続いてウールというランクになります。
ウールフェルト
ウールフェルトは、羊の毛を素材としたものです。直毛で表面が滑らかなビーバー、ラビットとは異なり、羊毛は縮れていて表面が鱗(うろこ)のような鱗片で覆われているのが特徴です。比較的容易に縮絨ができることから、一般的なフェルトハットの素材として使われています。
ウールフェルトの中にもグレードがあり、トップ(梳毛)と言われる長い繊維を原料としたものと、ノイル(紡毛)と言われる短い繊維を使用したものに分けられます。トップを原料としたウールフェルトハットは、きめ細やかで滑らかな仕上がりとなります。
ウールのフェルトハットを選ぶ際には、触った時にザラザラしていない手触りの良い滑らかなものを選ぶのが良いでしょう。
ラビットファーフェルト
ラビット(兎)は、高級帽子の素材として圧倒的な人気を誇っています。兎の毛は細くて直毛であるため、軽くてキメ細やかで手ざわりもよく、最高の被り心地をもたらします。また、毛が中空であることから軽くて暖かく、染料が毛の内側からも外側からも含浸する為、発色の良い美しい仕上がりとなります。
ラビットファーは、仕上げのバリエーションが豊富なのも特徴で、毛足の短いスッキリとした仕上げから、毛足が長い重厚な仕上げまでそれぞれの風合いを楽しむことができます。
ラビットファーは、縮絨に時間と手間がかかりますが、縮絨後は密度が高くしなやかさと腰のある、絶妙な特性のフェルト素材となり、「良い帽子を長く被りたい」という方に最適の素材と言えるでしょう。
ビーバーファーフェルト
ビーバーは、最高級フェルトハットの素材と知られています。ビーバーの毛はとても細くて柔らかく、その毛から作られたビーバーファーフェルトは、スエードのようにきめ細やかで、薄く柔らかいのに張りがあり、防寒・耐久性に優れているという特徴があります。
ビーバーの毛はたいへん希少で供給が安定しおらず、さらに縮絨・仕上げに手間もかかることから、フェルトハットの中では最も高価ではありますが、その質感は他とは一線を画す極上のもの。帽子通が最後に到達する憧れのアイテムなのです。
ビーバーファーフェルトはラビットのように仕上げのバリエーションは無く、スムース仕上げのみです。
それぞれのフェルトのおすすめブランド
◆ウールフェルトハットのおすすめブランド◆BIGALLI(ビガリ)
お求めやすい価格帯でデザイン・カラーが豊富。フェルトハット初心者の方におすすめです。
◆ラビットファーフェルトハットのおすすめブランド◆TONAK(トナック)
現存するフェルトハット帽体メーカーでは世界最古。吟味された最高級の素材、伝統製法による高い品質が魅力。本物志向の方に愛されています。
◆ビーバーファーフェルトハットのおすすめブランド◆Zapf(ツァップ)
ハプスブルク家御用達ブランド。チロリアンハットづくりで培われた高度な縫製技術から生み出される最高級ハットはため息ものです!
さあ、今日なに被る?
猛暑から朝夕少しだけ涼しくなり、少しずつ秋に向かっています。
でも、まだまだ陽射しが強い日も。
夏から秋に向かうこの季節、帽子は何を被ればいいのでしょうか?また、秋冬物は何月から被ってOKでしょうか?季節のおすすめ帽子を紹介します♪