雨の日も快適に!撥水加工・防水加工のメンズ帽子
2022/01/20
- 帽子コラム
春雨、梅雨、台風、夕立、秋雨、秋の長雨、時雨、通り雨、氷雨、天気雨、集中豪雨、ゲリラ豪雨。日本には、暑い季節、寒い季節、一年を通じて様々な雨の場面がありますね。
そんな時に役立つのが、撥水仕様・防水仕様のアイテムです。そこで今回は、ちょっと気になる撥水と防水の意味の違いや、そうした機能を備えた帽子素材についてご紹介します。
まず知っておきたい、撥水加工と防水加工の違いは?
撥水(はっ水)とは、簡単にいうと「水をはじく」こと。撥水加工は、糸や生地の表面をシリコンやフッ素などでコーティングし、生地に付着した水分を玉状にしてコロコロとはじくようにする加工を指します。
糸や生地の表面をコーティングするとはいっても、織り目の隙間は完全には塞がれないので、空気や蒸気は通過します。通気性が確保されるため、蒸れにくいというメリットがあります。
撥水(はっ水)仕様は、あくまでも少量の水をはじく性質のものです。そのため濡れる量が極端に多い場合は、織り目の隙間から生地の裏側に水分が浸透してしまうことがあります。
対する防水とは、簡単にいうと「水を通さない」こと。防水加工は、塩化ビニルや合成ゴムなど水を通さない素材を生地に用いたり、水分がしみ出す原因となる隙間にゴムや合成樹脂を埋め込むことで、生地の裏側まで水分を通さないようにする加工のことです。
防水加工は、雨合羽(かっぱ)、レインコート、テント、登山用リュックなど、特に水を防ぐ力が強く、そうした効果の長い持続が求められるようなアイテムに使われています。
水の漏れや浸透をほぼ完全に防ぎ、強い雨でも水を通しませんが、撥水加工とは異なり、空気や水蒸気も通さないため、通気性が悪く蒸れやすいというデメリットがあります。
特殊素材ゴアテックスで防水性を実現した帽子が登場
帽子にも、撥水性を特長とするものがあります。これらは上で紹介したように「水をはじく」性質があるので、多少雨に濡れた程度であれば、乾いた布でふくことでメンテナンスできます。
一方の「水を通さない」防水に関しては、着用時に蒸れやすいという点が帽子素材として従来致命的なデメリットでした。しかし、防水透湿素材(透湿防水素材)と呼ばれる特殊素材の誕生により、防水性にも優れた帽子が登場してきています。
そんな防水透湿性素材の中でも特に有名なのが、アメリカの「WLゴア&アソシエイツ」社が提供する「ゴアテックス(GORE-TEX)」という素材です。
ゴアテックスは、表地と裏地の間に挟み込まれる膜のようなもの。登山など本格的なアウトドア用のアウターウェア、レインウェア、さらには人工血管などの医療製品にも採用されているという特別な素材です。
従来のゴム製のレインウェアなどは、外側からの水(雨)を通さない一方で、汗など内側からの湿度を発散できないため、不快感があったり、むしろ身体が冷えてしまうなどの難点がありました。
ゴアテックスは、外からは防水、内からは透湿という、従来は共存できなかった二つの性能を見事に両立させた画期的な素材なのです。
こうした特長は、帽子の素材としても好適なもの。そのためゴアテックスを素材に用いた帽子は、雨の日のアウトドアを快適に過ごすための究極の逸品と言えるでしょう。