シーズンの主役、大人のためのニットファッションガイド
ライター:クシシュトフ・イヌスキー 監修:松はじめ
(出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/839011/)
ふっくらとした柔らかな触り心地に、体温を逃さない暖かな着心地。秋冬のスタイリングになくてはならないニットは、トラディショナルなスタイルが見直される今こそ注目したいアイテムです。
今回はそんなニットアイテムの魅力からお手入れの方法、カラーコーデを含めた大人の着こなしに至るまで徹底解説していきます。秋冬にスウェットやフリースを愛用していた方も、この機会にニットを使ったファッションを楽しんでみませんか。
■秋冬のファッショントレンドに迫る:ニットの魅力
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保温性の高さやテクスチャーのよさ、抜群のフィット感から、秋冬にぴったりのニット素材。昨今のファッションがテーラードスタイルへと回帰していることもあり、ジャケットやコートとの相性がよく、さまざまな着こなしを楽しめるニットウエアは、大人の最重要アイテムに躍り出たと言えます。
また環境に優しいとされるウール素材が近年サステナビリティの面から支持を集めている点でも、ニットアイテムはチェックしておきたいところですね。
■ニットアイテムのバリエーション
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・セーター
頭からすっぽりとかぶって着るスタイルが特徴のセーター。汗をかかせるものという意味のこのアイテムは、襟の形によりクルーネックやVネック、タートルネックといった種類があります。
素材はウールやカシミヤ、コットン、アクリルなどが主流です。編みに関してはTシャツでもおなじみの天竺編みに加え、太めの毛糸で模様を描くアランニット、ミリタリーで採用されることの多いワッフル編みなどが流通しています。
・カーディガン
柔らかな佇まいと羽織りやすさから愛用者の多いカーディガン。イギリスのカーディガン伯爵から広まったこのウエアは、襟なし、ボタン付きの前開きが一般的です。
素材は先のセーターと同様ですが、トレンドを受けてドレープ感の強いレーヨンやビスコースといった生地が用いられることもあります。またハイゲージの天竺編みに加え、ざっくりとした網目のローゲージニットやモヘア素材のように毛足が長くふわっとした質感のアイテムも人気です。
・ベスト
カットソーやシャツの上に重ねられるベストも代表的なニットアイテムです。ボタンやポケットを廃したその姿は、ときに縄編みやライン柄などと相まってスポーティーな印象も醸します。一般的なアイテムはウール素材の天竺編みが主流です。
■色彩の選び方
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まずはニットを取り入れたいシチュエーションを決めましょう。
ビジネスシーンで使いたい場合は、ダークスーツやネイビースーツと相性のよいブラックやチャコールグレーを選びます。また清潔感の出るホワイト系や知的に見えるネイビーもGOOD。ジャケットを用いないビジネスカジュアルのファッションでも、このカラーコーデを参考にしてみてください。
一方でオフの日に使うならば、スタイリングのアクセントとしてトレンドカラーを用いるのもおすすめです。今シーズンならばレッドやイエロー、ベージュなどが新鮮に映りますよ。
■ビジネスカジュアルからデートナイトまで:幅広いシーンでの着こなし
・カーディガンでつくる大人のこなれスタイル
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オンシーンでのニットコーデには、シャツと相性のいいカーディガンが鉄板。ジャケットやコートでの大人スタイルに柔らかでこなれた雰囲気をプラスできます。
色は安定のモノトーンやネイビーで。秋冬に登場回数の多いベージュやチャコールグレーのアウターと重ねても、スナップのようにすっきりと着こなせるはずです。
・合わせたい帽子:ニットキャップ
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テーラードアウター×カーディガンという王道には、ニット帽を足してカジュアルダウン。リラックスした雰囲気が大人の余裕を引き出してくれます。ただし子どもっぽくなりすぎないよう、ハイゲージかつコンパクトなデザインを選んでみてください。
・タートルニットで描くシティスタイル
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艶めくレザージャケットにはタートルネックのニットをインストール。男らしい雰囲気も一転、デートにふさわしいエレガントな印象へと様変わり。さらにボトムスやシューズにもダークトーンを選べば、都会的ファッションの完成です。
レザージャケットは街に溶け込みやすいシングルモデルがおすすめ。装飾も少ないほどに着こなしやすくなります。
・合わせたい帽子:ベースボールキャップ
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今どきなカジュアルスタイルにぴったりのベースボールキャップで、大人のコーデに遊び心をプラス! ブランドロゴが配されたデザインにブラックやネイビーのダークカラーでそつなくキメてみましょう!
■ケアと保管:長く愛用するためのニットのお手入れ
(出典:https://unsplash.com/ja/写真/ZFEpdjFbqAQ)
・適度に休ませる
エレガントにもカジュアルにも大活躍のニットは毎日でも使いたいところですが、ちょっと待って! スーツやシューズに休息が必要なように、ニットウエアも休む時間が必要なんです。
たとえ弾力性が高く、シワや型崩れに強いと言われているウールであっても万能ではありません。素材の回復力が追いつかずにくたびれてしまわないよう、一度身につけたら2〜3日はハンガーでつり干しにするなどして休ませましょう。カシミヤやコットンなども同様です。
・日頃のケアはブラッシングだけでOK
ウール素材に限らず、編み込まれたニット製品は大変にデリケート。着用するごとにクリーニングや洗濯機洗いを重ねると、風合いを損ねるだけでなく、生地に深刻なダメージを与えてしまいかねません。日頃のケアならば、ホコリや花粉を落とすためのブラッシング程度にとどめておきましょう。
その際はデリケートなカシミヤにも使え、また静電気を起こしにくく、新たな汚れの付着も防止してくれる馬毛ブラシが最適です。
・毛玉のカットも忘れずに
ニットは擦れた部分が毛羽立ち、やがて絡まって毛玉となるのが宿命です。しかしながら、これをそのまま放置すると見栄えが悪いだけでなく、衣服自体の寿命を短くすることにもつながってしまいます。見つけ次第、適切に処理を行いましょう。
基本は毛玉取り器や専用ブラシを用いますが、ない場合は丁寧にハサミで切り取っていきます。なお、カミソリや食器用スポンジの硬い部分を使うという裏技は、かえって生地を痛めてしまうこともあるのでご注意ください。
■着心地とファッションを両立させる大人のためのニット選びとは
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現在のファッションは、肩幅や身幅のゆったりとしたリラックスシルエットが主流。ニットも大きめの作りが多く、同じデザインのアウターとも好相性です。こうしたアイテムは新しいスタイルを楽しむきっかけになりますし、最新の服を難なく着こなす姿は周囲のウケも抜群ですから、できれば大人も積極的に選んでほしいものです。
一方、トラッドでキメる際は、これまでのように体に付かず離れずのキレイめなニットウエアも捨てがたいところ。
つまるところ、ニットについてもTPOに合わせてフレキシブルに使いこなせる大人の男になるのが一番です。もちろんトレンドアイテムはリーズナブルに選んでも構いません。ぜひさまざまなニットコーデでファッションを楽しんでみてくださいね!
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Writer執筆者紹介
松 はじめ
東京・表参道のオーダーサロン「ボットーネ」オーナー。
20代で起業し、政治家、経営者、芸能人、プロスポーツ選手など自身も3,000人以上の仕立服を手がける。
映像制作、企画を行う株式会社メディコ代表。
YouTubeチャンネル「メンズファッションTV」をはじめ、オンラインスクール運営やブログなどで情報発信を行う。
著書に、リセット仕事服(技術評論社)