寒い季節もスタイリッシュに!「ダウンジャケット」のコーディネート術
ライター:クシシュトフ・イヌスキー 監修:松はじめ
2023.11.08
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今冬はエルニーニョ現象により暖冬になるのではとの予報もありますが、それでも冬はつらいもの。さらに電気代の高騰で節電も意識される今、無類の暖かさを得られるダウンジャケットは注目しておきたい存在です。
今回はそんなダウンジャケットをスタイリッシュに着こなす方法をご紹介します。マンネリ化したコーディネートの打開策はもちろん、これを機にダウンを新調したいといった方に向けて、選び方にも触れていきます。
■ダウンジャケットの選び方
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まずはダウンジャケットの選び方から見ていきましょう。使うシーンを想定しながら、3つのポイントを確認してみてください。
・詰めものとフィルパワー
ダウンジャケットの中身は、抜群の暖かさを誇る「ダウン」だけではありません。保温性は落ちますが、弾力性が高く、ジャケットの型崩れを防ぐ効果のある「フェザー」。そして価格面に優れるほか、水濡れに強い「人工的な中綿」の3つが組み合わされて、詰めものが形成されています。
本格的なアウトドアで使いたい方はダウン素材が多く使われているものを。一方、ライトユースや費用を抑えたい場合は、フェザーや中綿が多いものもおすすめです。
またここで「フィルパワー(FP)」も確認しておきましょう。これは羽毛のかさ高を指す値で、この数値が高いほどよく空気を含むので暖かくなります。シティユースであれば600〜700FP、より過酷なシーンであればそれ以上を選んでみてください。
・表地の素材
主なダウンジャケットの素材は「ナイロン」か「ポリエステル」です。これらは縫製がしやすいうえに耐久性も高く、また防水や防風といった加工もしやすいことで重宝されています。またシワになりにくいため、スタッフバッグで持ち歩いたり保管したりすることの多いダウンにはピッタリと言えるでしょう。
しかしながらその光沢感や肌触りのため、スポーツカジュアルには似合うものの、トラディショナルなスタイルでは使いにくい傾向にあります。大人っぽく着たい、ビジネスで着たい、そんな方はマットで品のある「ウール」のダウンジャケットなどを選んでみてください。
・デザイン
独特のボリューム感とダウンを閉じ込めるステッチ(縫い目)が特徴のダウンジャケット。近年はトレンドから、オーバーサイズ気味に着られるアイテムも流通しています。
しかしこれらは着ぶくれ感と紙一重。カジュアルスタイルでもシャープに着たいという方は、ジャストサイズはもちろん、ウエストシェイプが効いたものや、やや着丈の短いものがおすすめです。使い勝手が良いのはダークカラーですが、明るい色も華やかでGOOD。大人っぽくしたい場合はホワイトもいいですね。
一方、ビジネスなどで用いる場合は、カジュアル感を減らしてくれるノンキルトダウンやシームレスダウン、コートライクに羽織れるやや着丈の長い一着などがよいでしょう。また一般的なアウターと同様、襟周りが立体的に立ち上がるものの方が品よく使えますよ。イチオシの色はブラック、ダークグレー、ダークネイビーです。
■ダウンジャケットのレイヤードテクニック
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ダウンジャケットは抜群の保温力を誇るため、インナーは薄手でも十分。したがってレイヤードの種類もおのずと限られてきます。主なアイテムと、その合わせ方をチェックしてみてください。
・カジュアル:カットソー、フーディー
カジュアルな印象が強いダウンジャケットには、同系統のカットソーやスウェット、フーディーが好相性。アクセントとなるカラーを選んだり、Tシャツと重ねてコーディネートに奥行きを出したりといった使い方が一般的です。
なお、フロントファスナータイプのフーディーは同じファスナー仕様のダウンとは合わせにくいため、避けておいたほうが無難かもしれません。
・トラッド:シャツ、テーラードジャケット
シャツやテーラードジャケット(スーツ)は、スポーティーなダウンジャケットとはいわば対極の存在。しかしながら、そのギャップがスタイリッシュに映ります。
合わせにくいと感じるならば、ボタンダウンやチェック柄といったカジュアル要素の強いシャツを選んでみるのもおすすめです。またビジネス等での使用では、先ほどの「ダウンジャケットの選び方」も参考に、ダウン自体を見直してみるのもよいかもしれません。
カラーコーディネートは、インナーかタイで遊ぶくらいのほうがスッキリとまとまります。
・オールマイティ:ニット
アウトドアやスポーツに古くから関わりがあり、それでいてビジネスやフォーマルの場でもなじみのあるのがニット類です。ダウンジャケットにとっては、いいとこ取りの頼もしい存在と言えるでしょう。
単品使いはもちろん、シャツやTシャツと重ねてもOK。いずれもカジュアルにもオンシーンにも活躍してくれます。
おすすめのカラーは、モノトーンやネイビー、ベージュ。さらにそこへホワイトのインナーを重ねると、爽やかさや立体感も楽しめます。カジュアルでの使用ならば、トレンドカラーのレッドやイエローのニットをダウンにぶつけてアクセントにするのも効果的です。
■ダウンジャケット+小物の合わせ方
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なんだかコーディネートがしまらない、子どもっぽい、そんなときは小物を足してみましょう。上品に大人っぽく仕上がるテクニックを2つご紹介します。
・ジュエリーでラグジュアリーに
気取らず気軽に着られるダウンには、ジュエリーをプラスしてラフさを払拭!ラグジュアリー感や上品さが加わり、おしゃれに着こなしやすくなります。
選ぶジュエリーは、小ぶりでシンプルなものが基本。シルバー、ゴールド、宝石類いずれもOKですが、過剰使いは避けましょう。ネックレスのみ、あるいは細身のブレスレットとリングだけなど、さり気なく身に付けるのが成功の鍵です。
・帽子でシルエットを補正
横にボリュームのあるダウンは帽子を合わせることで視線や重心がずれ、スタイリングがバランスよく仕上がります。また防寒性がアップするのもうれしいですね。
ただし、子どもっぽいコーディネートやガチなアウトドアに見えないように気を付けましょう。ポイントは、落ち着いたダークカラーやトレンド感のあるデザインでスタイリッシュにキメること。またキャスケットやマリンキャップなどでこなれ感を出すのもおすすめですよ。
■季節に合わせたダウンジャケットのスタイリング例
・ダウンを使った紳士系コーディネート
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トレンドのデニムには、相性のいいグリーンカラーをダウンジャケットで取り入れて。落ち着いた色味なら、大人も違和感なく楽しめます。インナーにはニット×シャツで上品な雰囲気もプラス。さらに足元にブーツを合わせ、大人&冬の雰囲気を加速させましょう。
・合わせたい帽子:ベースボールキャップ
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帽子のおすすめは、あえてのベースボールキャップ。トレンド感や若さを感じさせるアイテムで、スタイリッシュさを演出してみます。安定のブラックやネイビーにはブランドのロゴを入れて、今の気分を楽しんで!
・まさに王道!ストリート系のダウンコーディネート
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話題のアウトドアブランドもプッシュするオレンジやレッドのダウンジャケットは、シティユースでこそ遊びたいところ。ほかのアイテムをモノトーンで統一させると大人でも無理なく着こなせます。インナーにはフーディーを合わせて、王道のストリートスタイルに。
・合わせたい帽子:バケットハット
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スナップのニットキャップもおしゃれですが、今回はバケットハットを選択。ストリート感をマシマシにするだけでなく、意外にも大人っぽさやスタイリッシュさも加えてくれます。カラーはもちろんブラックで。深く被ってクールにキメましょう。
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Writer執筆者紹介
松 はじめ
東京・表参道のオーダーサロン「ボットーネ」オーナー。
20代で起業し、政治家、経営者、芸能人、プロスポーツ選手など自身も3,000人以上の仕立服を手がける。
映像制作、企画を行う株式会社メディコ代表。
YouTubeチャンネル「メンズファッションTV」をはじめ、オンラインスクール運営やブログなどで情報発信を行う。
著書に、リセット仕事服(技術評論社)