小物にもトレンド感を。大人な男性も取り入れたいミニバッグ
ライター:クシシュトフ・イヌスキー 監修:松はじめ
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キャッシュレス化によるミニ財布ブームなどを受けて、昨今のファッション界ではバッグのミニマム化が加速しています。
そこで今回テーマに掲げるのは、「ミニバッグを使ったメンズスタイル」です。若い人やレディースファッションだけのものと侮るなかれ。大人の男こそ、このトレンド感のある一点を取り入れるのが効果的なんです。
大人の男性こそミニバッグでこなれたスタイルを
冒頭でも少し触れましたが、世の中はあらゆるものがデジタル化へとシフトしています。すでに、現金やクレジットカードを入れている財布はスマートフォンで、ビジネスの書類確認や雑誌などの閲覧はタブレットで十分といった印象。
そんな時代の最先端を行く人々にとって、大きなバッグは邪魔でしかありません。シリコンバレーのCEOからモードシーンを動かすファッショニスタまで、できる男たちが必然的にたどり着いたのは、必要最低限のものだけを収納するミニバッグでした。
したがって、私たちも今手に入れるべきはこれ。ミニバッグこそが、こなれた大人を演出するのにうってつけなんです。
カジュアルなデイリースタイルとミニバッグの合わせ方
ビジネスの場や旅行時とは異なり、もともと持ち歩く荷物の少ないカジュアルシーン。だからといって、スマホやお財布、鍵などをポケットに詰め込んでいては、あまりいい印象を受けません。
そこで重宝するのがミニバッグ。導入には躊躇するという方もいらっしゃるかと思いますが、基本はアクセサリー感覚で選べばOKです。トート、ショルダー、リュックなど形は問いません。シンプルなコーディネートには色柄のものを、大人っぽいコーデには高級感のあるレザー調のアイテムをプラスして、全体のアクセントとして楽しんでみてください。
スナップはレザージャケット×デニムの男臭いスタイルに、意表をつくポップなイエロー系ストライプのミニバッグを合わせて。一見ミスマッチのようですが、パンツとバッグが補色関係になっており、おしゃれ上級者のそれを感じさせます。
ほかのスタイリング例
- ナイロンブルゾン×コットンチノパンツ×ランニングスニーカー⇒アウトドアブランドのナイロン製ミニショルダーバッグをプラス
- ネイビーのブレザー×ホワイトのコットントラウザー×ブラックのローファー⇒カラーもののレザー製ミニバッグをプラス
合わせたい帽子:バケットハット
ミニバッグを使ったカジュアルコーデには、同じくカジュアルなバケットハットを合わせてみましょう。
セットアップスタイルからカットソー×チノパンツのような組み合わせにまで使えるこの一品。モノトーンを選んでおけば、服やバッグにもすんなりとなじみます。上級者はバッグやシューズと色をそろえてみるのもいいですね。
ミニバッグをオフィスカジュアルのアクセントに
デジタル化の激しいビジネスシーンですが、仕事用とプライベート用のスマホの2台持ち、さらには業務用のタブレット、アナログな名刺入れなど、意外と荷物は多いもの。かといって、大きなバッグにそれらを詰め込んで漫然と持ち歩くのは昨今のおしゃれとは言えません。必要なものだけをミニバッグに入れてコーデを遊ぶ、これぞできる男の使い方です。
ただし、あまりにコンパクトなものを選ぶと必要なものが入らないという可能性も出てくるため、サイズ選びには注意したいところ。またオフィスカジュアルはある程度ラフなスタイルが許されるルールではあるものの、個性的なデザインは好まれません。ビジネスバッグのイメージとしてなじみの深いレザー素材やスクエアシルエットなどを中心に選んでみてください。おすすめはショルダーやトートバッグバッグです。
ピックアップしたスタイルでは、ブラウンカラーのレザー製スクエアショルダーを選択。モノトーン調のコーディネートに映えつつ、ビジネスシーンの枠にもしっかりと収まっています。ミニバッグとしては気持ち大きめですが、このくらいのサイズも使い勝手が良くておすすめですよ。
ほかのスタイリング例
- ブラックのセットアップ×ブラックのレザーシューズ⇒ブラックのレザー製ミニショルダーバッグをプラス
- ウールのセーター×ウールのスラックス×レザースニーカー⇒レザー製のミニトートバッグをプラス
合わせたい帽子:ベースボールキャップ
ミニバッグを使った肩ひじを張らないオンスタイルには、ベースボールキャップがおすすめ。実際にいろいろなハイブランドが、このアイテムとミニバッグを合わせたコーディネートを提案しています。
かつてはブランドロゴを全面に押し出しているものが人気でしたが、シーンは徐々にシンプルにシフト。今回はビジネスで使うことからも、そうした無地系のキャップを選ぶとバランスよく楽しめます。
旅行やビジネス出張にも、大人の男性にふさわしいスマートなミニバッグの提案
できるだけ荷物をコンパクトに収めたい旅行や出張にも、ミニバッグは魅力的です。
特に写真を撮ったり、食べながら散策をしたりと、何かと両手を開けておきたい旅行には、コンパクトサイズのバックパックやショルダーバッグなどが大活躍。また丈夫なもの・軽量なもの・防水性に優れるものも頼りになります。
一方の出張にも、メインのキャリーケースのほかに貴重品を身近に備えておけるショルダー系のミニバッグなどが便利です。先のオフィスカジュアルの例と同様、ビジネスにふさわしいデザインや素材から選んでみてください。
スナップは、動きやすいカジュアルスタイルにレザー製のミニスリングバッグを合わせた例。ブルゾンを羽織れば旅行に、ジャケットをまとえばビジネスにと十分対応できるのが魅力的です。なお、こうしたミニバッグの中には、ベルトを外すとクラッチバッグ風に使えるものもあります。ブラック×レザーのスタイルも合わせて、出張用に検討するのもよさそうです。
ほかのスタイリング例
- グレーのチェスターコート×ブラックのパンツ×ホワイトのスニーカー⇒ブラックのミニハーフムーンバッグをプラス
- ウールのセットアップ×レザーシューズ⇒レザー製のスクエア型ミニショルダーをプラス
合わせたい帽子:ニット帽
ミニバッグを使った旅行におすすめするのは、アクティブ感とリラックス感が共存するニット帽。非日常を体験する旅行には、これ以上にピッタリなイメージのアイテムはありません。また丸めればミニバッグにもすっぽり収まるサイズ感も魅力的です。気温によってはコットンニットなどに切り替えるのもよいでしょう。
出張でもイチオシの一点ですが、先方に会う前に脱いでおくことは忘れずに!
まとめ
ミニバッグというと中途半端なイメージを受けますが、いざというときのためのコンパクト財布を始め、Bluetoothイヤホン、ハンカチやマスク程度は十分収まるサイズです。大きなバッグをなんとなく使い続けていた方も、全てポケットに詰め込んでいた方も、ぜひこのおしゃれアイテムを使ってみませんか。
「トレンドとなるには理由がある」目からウロコが落ちること、間違いなしです。
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Writer執筆者紹介
松 はじめ
東京・表参道のオーダーサロン「ボットーネ」オーナー。
20代で起業し、政治家、経営者、芸能人、プロスポーツ選手など自身も3,000人以上の仕立服を手がける。
映像制作、企画を行う株式会社メディコ代表。
YouTubeチャンネル「メンズファッションTV」をはじめ、オンラインスクール運営やブログなどで情報発信を行う。
著書に、リセット仕事服(技術評論社)