フランネルスーツの着こなしを知ろう|冬はハットが欠かせない!?

ライター:中之丸真吾 監修:松はじめ

冬はファッション好きにはたまらない季節ですね。
ジャケットとコート、ニットとダウンなど重ね着ができますから、色々なコーディネートが生まれますし、異素材のアイテムを上手に組み合わせると一気にファッション上級者になります。
ですが、これは紙一重でもあり、一歩間違うと悲惨なファッションコーディネートになってしまう可能性も。
そこで今回は、冬の代表的な素材のひとつである『フランネル』について、コーディネートのポイントやおすすめの小物をご紹介したいと思います。

★フランネルの魅力とは?

そもそも、フランネルとは何なのでしょうか?
簡単に説明すると、生地の表面を起毛(きもう)させた素材のことで、同様に使われる言葉に”フラノ”がありますがこちらは和製英語になります。
ちなみに、みなさんもご存知の『ネルシャツ』のネルは、フランネルからきています。
このように、ほっこりとした温かみのある表情をしていて、いかにも冬用!といった感じ。
さらに、フランネルには「梳毛フランネル」と「紡毛フランネル」の大きく分けて2つの種類があります。
簡単に言えば、梳毛フランネルは柔らかい質感で、紡毛フランネルはコートに使われるような厚みのあるずっしりした生地のことを言います。
いずれにしても、見た目にも季節感があり、しっかりコーディネートができれば一気にファッション上級者の仲間入りができるのです。

★フランネルはスーツ(セットアップ)と相性抜群!

引用元:keisuke kyomoto(URBAN RESEARCH DOORS)|URBAN RESEARCH DOORSのスーツパンツを使ったコーディネート – WEAR

フランネルは様々なアイテムの素として、皆さんが普段着ているアイテムにもおそらく使われているのですが、最も相性が良いのはスーツ(セットアップ)です。
ビジネスシーンで着用することはもちろん、プライベートでカジュアルに着用するスーツとしても着ることができるのが魅力のひとつ。
普通のスーツ用の生地と、カジュアルセットアップの生地は全くの別物で、どんなスーツもON/OFF兼用とはなりませんので注意が必要です。

★フランネルスーツの着こなしポイント

フランネルスーツを着こなすにはいくつかのポイントをしっかり押さえておきましょう。
例えばインナーとして着用するニット。
ニットの中にもフランネルスーツに合うニットとそうでないものとがあり、その他にはビジネスで着用する際のネクタイ種類、スニーカーや革靴にもそれぞれ押さえておきたいポイントがあります。

■ニットはハイゲージニットがおすすめ

ニットには糸の太さによって、ローゲージ、ミドルゲージ、ハイゲージと大きく3つに分けられています。
ハイゲージは最も糸が細く、キメの細かいニット素材のことで、スーツやジャケットのインナーとして着用するのにてきしています。
一方でローゲージやミドルゲージは、インナーとして着用するとゴワゴワとしてしまいますので、せっかくのジャケットやスーツのシルエットも崩れてしまいます。
そして、ハイゲージのニットの中でも、タートルネック、モックネックのデザインがおすすめです。
タートルネックは首の部分を折り返して着用し、モックネック=ハイネックのようなイメージで、少しだけ首に高さのあるデザインです。
フランネルスーツのインナーとして着用する場合、ジャケットの襟に素肌が直接触れてしまうのを避ける為にも、こうしたタートルネックやモックネックが適しています。

■ネクタイはシルクはNG?

ネクタイの素材は普段あまり気にしていないかもしれませんが、ほとんどの場合はシルクだと思います。
シルクは光沢があり、ネクタイの素材として定番なのですが、フランネルのように起毛したスーツと合わせる場合は必ずしも適している訳ではありません。
素材同士の差がありすぎて、ネクタイが妙に浮いてしまう可能性があるからです。
フランネルと元は同じ素材(ウール)を使用したウールタイや、光沢感が控えめなものだとフランネルスーツと非常によく馴染んでくれます。
ファッションは何かが目立ってしまうと途端に難しくなってしまいますので、控えめでしっくりするネクタイがおすすめですよ。

■スニーカーもあり?革靴ならどんなデザイン?

フランネルスーツにスニーカーを合わせるのは『あり』です。
ありですが、最近に流行っているハイテクなスニーカーなどはさすがに主張が強すぎて違和感が出てしまうでしょう。
アディダスのスタンスミスや、アメトラの王道コンバースなどのきれいめなスニーカーであれば問題ありません。
ただし、ネクタイをしている時は絶対に革靴を合わせてくださいね。
その革靴にも押さえておきたいポイントがあります。

これはルールというほどではないのですが、内羽根よりも外羽根の革靴の方が相性が良いです。
内羽根=フォーマル、外羽根=カジュアルと一般的には言われていますが、フランネルスーツはもともとスポーティな位置付けですので、フォーマルな内羽根の革靴よりも雰囲気が統一されて良いんです。

★帽子でアクセントを加えて上級者の仲間入り

冬のファッションには小物が欠かせません。
小物があるのとないのとでは印象も全然違いますし、小物は色々と使いまわしもできますから揃えておいて損はありませんよ。
特にフランネルスーツに合わせた帽子は、あなたの個性を引き出してくれます。

■フェルトハットで粋な紳士スタイルが完成

フェルトハットは冬のスーツスタイルにぴったりで、とりわけフランネルスーツとの相性は抜群です。
定番はブラックですが、重厚な雰囲気になり違和感が出てしまうかもしれませんので、そういった場合は写真のようなライトベージュやアイボリーのような色味にしましょう。

逆に、このようにスーツがグレーの場合は黒で引き締めた方がいいので、何事もバランスは重視したいところですね。
全身が淡い色になってしまうと、コーディネートがぼやけてしまいます。

Q.S. Anello Rasato(Q.S. アネロ ラザート) 114336/ライトベージュ
厳しい基準でふわりと軽い毛だけを選別した、極上のラビットファーフェルトで魅了。程よい長さのブリムで装いをスタイリッシュに格上げする、高級仕様のフェルトハット。

■カントリーテイストのコーディネートにはハンチングを!

ハンチングのようなカントリーテイストの帽子は冬素材のジャケットと相性抜群です。
ハンチング自体がツイード系の素材で出来ていることが多いですから、写真のようなブラウン、もしくはカーキやベージュなどのアースカラーを軸にコーディネートを組めば安心です。

アースカラー同士の相性が良いので、このようにネクタイを締めた大人のコーディネートにもよく似合います。
メガネや時計のベルトもブラウン系でまとめたお手本のようなスタイルですね。

Harris Tweed Stornoway(ハリスツイード ストーノウェイ)
いま、本物ハリスツイードをあなたへ。クラシカルな一枚布のフォルム、上品トラッドな色柄で決める正統派。

■ベレー帽もカジュアルアクセントに!

可愛いイメージのあるベレー帽も、実はきれいめスタイルのアクセントとしておすすめです。
ビシッと決めたスーツ/ジャケパンスタイルも、少し優し気に見せてくれます。
ベレー帽は起毛した素材で出来ていることが多いので、フランネルのスーツやジャケットに合わせて冬らしいコーディネートにまとめたいですね。

ジャケットがチェックであれば、ベレー帽は無地が基本です。
フェルトハットやハンチングと同様に、今季はベージュなどの淡いトーンに注目したいところ。
少し主張のあるチェック柄のジャケットでも、このようにきれいにまとめてくれます。

BERET WL BASQUE(ベレー ウール バスク) ベージュ
一見シンプルながら、サテンの裏地など細部までこだわり抜かれたベレー帽。かぶり口のパイピングに鮮やかな色を用いて、着用時にちらりと見えるよう工夫を凝らした逸品。

・まとめ

冬の定番素材「フランネル」について今回はまとめてみました。
素材が特徴的なので、コーディネートする際は素材同士の相性や色の相性に注意することで、他とは違うスタイルを作り上げることができます。
冬らしいお好みのハットと合わせて、是非色々コーディネートを楽しんでくださいね。

この記事で紹介した商品



Writer執筆者紹介


中之丸真吾

中之丸真吾

表参道オーダーサロン ボットーネ店長兼チーフコンシェルジュ。

2000人以上のクライアントを持ち、抜群のヒアリング能力と繊細なフィッティングと提案力から、熱い支持を受けている。
メンズ書籍の撮影、スタイリングにも携わる、ドレスファッションのプロ。