春先のステンカラーコートの着こなし|小物使いでおしゃれにコーディネートしよう
ライター:林優吾(表参道ボットーネ) 監修:松はじめ
春先はぽかぽかと日差しが暖かい日もあれば、一転して冬に舞い戻ったように肌寒い日もあったりして、洋服選びが難しく感じることがありますよね。
そんな時に大活躍するのがスプリングコート。
やや薄手の作りをしているので体温調節がしやすく、冬場のガッチリとしたコートと比べると嵩張らないので持ち運びやすいというメリットもあり、春先のファッションには欠かせないアイテムです。
スプリングコートにも色々な形がありますが、代表的なデザインはステンカラー。
老若男女問わず人気のあるステンカラーコートなだけに、一歩間違えると子供っぽいファッションになってしまうこともあります。
そこで今回は、大人のステンカラーコートの着こなしについて、選び方やコーディネートのポイントについて幅広く解説したいと思います。
この記事からわかることは、以下の3つです。
- ステンカラーコートは『ゆとり』と『丈の長さ』が重要
- 大人の着こなしコーディネートのポイント
- ステンカラーコートと相性のいいおすすめ帽子3選
ポイントをしっかり押さえて着こなすことで、安心してお洒落なコーディネートができますよ。
ステンカラーコートとは?
ステンカラーコートとは、襟の後ろ部分が高く、前に向かって下がるように折り返る襟が特徴のコートのことを指します。
ステンカラーコートの歴史は古く、そのルーツは1850年代前後の雨避けとして着用されていたケープということもあり、他のコートと比べると装飾が少なく見た目がシンプルな設計となっています。
実は「ステンカラーコート」という名称は和製英語で、正式には「バルマカーンコート」といいます。
スコットランドにある「バルマカーン」という地域で着られていたことからそう呼ばれるのですが、その他にも「バルカラーコート」と言ったりもする、ちょっとややこしいコートです。
ステンカラーコートには代表的なデザインがいくつかあって、
「ラグランスリーブ」という襟元から斜めに切り替えがあり、肩と一続きになっているようなタイプ、「セットインスリーブ」というスーツのように肩先から袖が始まるタイプがあります。
また「フライフロント(比翼仕立て)」といって、ボタンを留めた時に正面からボタンが見えない仕様になっているタイプもあり、いずれもオン・オフ問わずどんなシーンにも着られるアウターなので大人の男性なら揃えておきたいアイテムです。
大人のステンカラーコートはこうやって着こなす
大人のステンカラーコートの着こなしにはいくつかのポイントがありますので、解説していきます。
ステンカラーコートは絶妙なゆとり感が大事
ステンカラーコートはそのシルエットにも特徴があり、ウエストがギュッと絞られた作りではなく、まっすぐストンと落ちるシルエットが基本です。
肩も少し落ちるくらいのリラックスしたステンカラーコートは、洗練された大人のコーディネートにアップデートさせることができます。
ステンカラーコート特有の適度なゆとり感を大事にしましょう。
春先からコートの下に着るインナーも徐々に薄くなっていきますが、厚手のニットを着ても少しゆとりがあるくらいのサイズを選ぶと失敗しないですよ。
丈はヒザが隠れるくらいがベスト
引用:WEAR ふーがさんのコーディネート
ステンカラーコートは膝がちょうど隠れるくらいの丈がベストです。
キレイめな印象のステンカラーコートは短すぎず長すぎずのバランスで着るのがちょうどいい塩梅で、大人のコーディネートに取り入れるならここは絶対に押さえておきたいポイント。
リラックスしたシルエットとの相性が良く、腰の位置をしっかり隠して、裾から下は足しか見えなくすることでスタイル良く見せることができます。
膝下まであるロング丈もクラシックで素敵なのですが、インナーを含めてコーディネートが難しく、一歩間違えるとオジサンっぽくなってしまいます。
逆に膝上のショート丈もあまりおすすめではありません。
ゆったりとしたAラインのシルエットと相性が悪く、子供っぽい印象に見えてしまったり、ひと昔前のちょいダサファッションになってしまうのでここも注意が必要です。
ファッション通ならラグランスリーブがおすすめ
ステンカラーコートには大きく分けて「ラグランスリーブ」と「セットインスリーブ」の2種類があり、ファッション通なら「ラグランスリーブ」を手に取ることをおすすめします。
ラグランスリーブはステンカラーコートのゆったりとしたシルエットと相性が良く、お洒落上級者のようにこなれた雰囲気が出ます。
セットインスリーブはスーツのように肩先から袖が始まる形をしていて、かっちりとした構築的な印象になるので、上品に着こなしたいのであれば、迷うことなくラグランスリーブを選びましょう。
春先のステンカラーコートを格上げするワンポイントアクセント
ステンカラーコートはファッション小物との相性も抜群です。
小物と組み合わせることで、ワンランク上のコーディネートを楽しめますよ。
- クラッチバックを合わせてビターな雰囲気にアップデート
- 帽子との合わせのおすすめ3選
革製のクラッチバッグを合わせて大人っぽさをプラス
ゆったりとしたシルエットのステンカラーコートは、リラックスして見える為にどうしても柔らかい印象になりがち。
そこで合わせたいのが革製のバックで、特にブラックやブラウン×ゴールドの金具がついたクラッチバックを持つとコーディネートが不思議と引き締まります。
クラッチバックは古臭く見えたり、オジサンっぽいアイテムと思われがちですが、良質な革で作られたクラッチバックは洗練された大人のアイテム。
小さめな作りをしているのであまり多くの荷物は入らず、スマートに見えるのも嬉しいポイントです。
ステンカラーコートに合う帽子3選
ステンカラーコートと帽子の相性は優れていて、合わせる帽子次第でコーディネートを上品にもカジュアルにもすることができます。
パナマハットは爽やかな印象があり、これからの季節にはピッタリの帽子です。
ビガリのレドンドは同ブランドの定番アイテムで、オーヴァルなシルエットに帽体とリボンをベストマッチさせたカラーリングが特徴的。
クールな石目編みの仕立ても魅力のひとつで、思わずステップを踏みたくなるような軽快さにも魅力があります。
キレイめなアイテムなのでステンカラーコートとの相性も抜群、コーディネートに春らしさと上品さを添えることができます。
キレイめな帽子と言えば、ベレー帽も真っ先に思い浮かぶアイテムのひとつで、これからの季節にはローレルのセネシオがおすすめ。
ローレルの歴史は本当に古く、1840年創業で現存する世界最古のバスクベレー帽ブランドです。
ベレー帽はその特徴的な見た目からコーディネートに取り入れるには難しいアイテムと思われがちですが、キレイめなステンカラーコートに合わせて被るだけで見違えるようにオシャレになることができます。
素材もリネンを使って作られているので、春先には持ってこいのアイテムです。
Baseball Cap(ベースボールキャップ)W120300 ネイビー
ステンカラーコートをカジュアルに着こなすなら、ベースボールキャップもおすすめの一つ。
Wigens(ヴィゲーンズ)のBaseball Cap W120300(ベースボールキャップ W120300)は、高級オーダースーツにも用いられるイタリアの老舗テキスタイルメーカー・カノニコ社が提供する高品質な生地を採用しています。
シンプルなデザインでありながら、シルク&リネン素材からなる柔らかく滑らかなその手触りからは確かな高級感があります。
それでいて雨などの水気にも強い撥水仕上げも嬉しい逸品キャップです。
まとめ
春先に着たいステンカラーコートの着こなしポイントや、おすすめの小物・帽子について解説させていただきました。
この記事のポイントは以下の3つです。
- ステンカラーコートは『適度なゆとり』と『膝丈』で着るとgood!
- 上質な革製のクラッチバッグで大人のビターなコーディネートに
- 合わせる帽子によってキレイめ・カジュアルどちらにも対応可能
春の陽気を感じる暖かい日にはさっと羽織り、少し肌寒い日にはちょうどいい防寒対策になるステンカラーコート。
コートはコーディネートの大部分を占めるアイテムなので、着こなしをマスターしてオシャレを楽しみましょう。
この記事で紹介した商品
Writer執筆者紹介
松 はじめ
東京・表参道のオーダーサロン「ボットーネ」オーナー。
20代で起業し、政治家、経営者、芸能人、プロスポーツ選手など自身も3,000人以上の仕立服を手がける。
映像制作、企画を行う株式会社メディコ代表。
YouTubeチャンネル「メンズファッションTV」をはじめ、オンラインスクール運営やブログなどで情報発信を行う。
著書に、リセット仕事服(技術評論社)